きし内科クリニック|市川市、本八幡|呼吸器科、アレルギー科、内科、小児科

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きし内科クリニック通信

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2018年2月号(第25号)【 「インフルエンザ」 が流行しています 】

【 「インフルエンザ」 が流行しています 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第25号を発行いたしました。
本号では、「インフルエンザ」のお話を掲載いたします。

「インフルエンザ」が流行しています。
今年のインフルエンザは、A型、B型ともにほぼ同時に流行しているのが特徴です。(昨年の流行の大多数はA型であり、B型はほとんど流行していませんでした。)
国立感染症研究所の報告によると、国内のインフルエンザウイルスの検出状況は、2018年1月の時点ではA型(H1N1pdm)と、B型(山形系統)の流行が多くを占めていました。昨年流行したインフルエンザの大多数を占めたA型(H3N2)とは異なるのが特徴です。
インフルエンザワクチンの効果の面では、今年のワクチンはA型(H1N1pdm)と、B型(山形系統)に対しての有効性はかなり期待できると考えられています。(一方、A型(H3N2)に対する効果は弱くなってきていると考えられています。)なので今年は特に、ワクチンを接種した方はインフルエンザに罹患する可能性は低くなりますし、インフルエンザに罹患したとしてもインフルエンザ治療薬(イナビル、タミフル、リレンザ、麻黄湯など)を速やかに服用すれば、重症化をかなりの面で予防できるとのではないかと考えています。

インフルエンザウイルスは、直径100nm(1mmの100万分の1)の小さな病原体で、A型、B型、C型の3つの型に分けられます。このうちA型とB型が大流行を起こします。
A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1~3日間の潜伏期間を経て、(38℃以上の)高熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われます。

感染経路は主に飛沫(ひまつ)感染です。インフルエンザウイルスに感染している患者の唾液から感染を起こします。咳やくしゃみで、他人の喉や鼻の粘膜にインフルエンザウイルスが付着・侵入することで感染が広がります。唾液がついた手などから接触感染を起こすこともあります。また、発熱前の潜伏期間中にも感染を起こします。

診断はインフルエンザウイルスの迅速診断キットを用いて行います。
通常の迅速診断キットが陽性になるのは、発熱してから一晩(12~18時間)を経過してからになりますが、当院では、発熱してから約3時間で診断できる精密測定キット(富士ドライケム IMMUNO AG1)も導入しております。

家族間の流行を防ぐためにも、マスク、手洗い、うがいで感染予防を行いましょう。突然の、高熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛・関節痛の症状がみられた場合は、当院にご相談ください。

2018-01-24 10:25:33

2018年1月号(第24号)【 下痢、嘔吐を認めたら、「ウイルス性胃腸炎」かもしれません 】

【 下痢、嘔吐を認めたら、「ウイルス性胃腸炎」かもしれません 】

明けましておめでとうございます。きし内科クリニック院長の岸 雅人です。
2016年4月に開院いたしました当院も、おかげさまで3周年目を迎えることが出来ました。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
きし内科クリニック通信 第24号を発行いたしました。本号では、「ウイルス性胃腸炎」のお話を掲載いたします。

「ウイルス性胃腸炎」が流行っています。別名「おなかの風邪」「胃腸風邪」ともいわれます。
下痢、嘔吐、腹痛、発熱が主な症状です。この中の症状の全てを認める場合もあれば、下痢のみ、嘔吐のみなど、いずれか1つの症状しか認めない場合もあります。
お腹(胃腸)にウイルスが感染することで発症するため、一般的には、喉の痛み、鼻水、咳などの風邪症状(上気道症状)を認めないのが特徴ですが、胃腸(お腹)と上気道(喉や鼻)の両方に感染するウイルス(アデノウイルスなど)の場合、おなかの症状と、喉や鼻の症状を合併する場合もあります。

ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスで代表的なものに、ノロウイルスロタウイルスがあります。
◎ ノロウイルス(流行期間:11月~1月)
生ガキや二枚貝、生のサラダなど、食べ物や飲料水から感染します。成人のウイルス性腸炎の多くを占めます。24~48時間の潜伏期間を経て、激しい下痢や嘔吐、発熱を認めます。迅速検査の保険適応は、3歳未満と65歳以上のみとなります。
◎ ロタウイルス(流行期間:1月~4月)
乳幼児が罹患する代表的な胃腸炎です。5歳までにほとんどの子供が一回はかかります。米のとぎ汁のような白っぽい下痢便が出続けます。2~4日間の潜伏期間を経て、嘔吐と下痢を認めます。熱は出る場合とでない場合があります。下痢は1週間ほど続くため重症化しやすいため注意が必要です。症状が強い乳幼児には、迅速検査で診断を行います。生後15週までにロタワクチンを接種することで重症化が予防できます。

ウイルス性胃腸炎に感染して、下痢、嘔吐を認めるのは、体内からウイルスを排出しようとする体の自然な働きです。おなか(胃腸)に感染したウイルスが、全て便とともに排泄され、その間に十分な水分を摂取することが出来れば、一般的には自然に治癒します。つまり、①(下痢でもよいので)きちんと便が出ること。②水分がとれること。以上の2点を満たせば、胃腸炎は自然に治癒しますし、そうでなければ重症化する危険があります。特に乳幼児の場合、水分が取れずに脱水症状を起こすと重症化しますので注意が必要です。

治療は、十分な水分摂取と、吐き気止め、整腸剤の内服です。ウイルスが便から排泄しなくなるため、一般的には強い下痢止めは用いません。経口補水液(OS-1など)や、スポーツドリンクを少しずつ何回にも分けて飲むと、吐き気をもよおさないため効果的です。胃腸の粘膜が炎症を起こして弱っているため、食べ物(固形物)は無理にとらずに、おなかがすいたときだけ消化のいいものを少しずつ食べるようにしましょう。

いずれのウイルスも、患者の嘔吐物や便から感染します。胃腸炎が治癒してからも2週間程度は便の中にウイルスが出続けるといわれています。家族間の流行を防ぐためにも、十分な手洗いで感染予防を行いましょう。

突然の嘔吐、下痢、発熱、脱水の症状がみられた場合は、すみやかに当院にご相談ください。

2018-01-05 09:30:00

2017年12月号(第23号)【 「ヒートショック」にご注意を 】

【 「ヒートショック」にご注意を 】

きし内科クリニック院長の岸雅人です。きし内科クリニック通信第23号を発行いたしました。
本号では「ヒートショック」のお話を掲載いたします。

年の瀬も押し迫り、めっきり寒い日が続いております。
最近「ヒートショック」という言葉をよく耳にするようになりました。恥ずかしながら、私は「ヒートショック」という言葉の意味を知らずに過ごしておりました。某アパレルメーカーの「ヒートテック(保湿性に優れる下着)」の親戚か?という程度の認識でした。

今回は「ヒートショック」についてお話し致します。
「ヒートショック」とは、小学館のデジタル大辞泉で、以下のように定義されています。
温度の急変で体がダメージを受けること。冷凍倉庫で作業した後、急に真夏の炎天下に出たときや、暖房の効いた部屋から寒い廊下に出たときなどに起こる。脈拍や血圧が上昇して、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因となりうる。

とくに入浴時に注意が必要です。暖かい居間から寒い脱衣所への移動。寒い脱衣所から浴室への移動、熱い湯船への移動の際に、急激な温度の変化が短期間のうちに起こります。その際、血圧の急激な上昇や下降が起こります。これを「ヒートショック」といいます。
急激に血圧が上昇すると、脳卒中、心臓病の原因になります。また、急激に血圧が低下すると、めまい、貧血症状、転倒を引き起こす原因になります。

入浴中にのぼせたり、意識を失ったりしてヒヤリとした経験はないでしょうか。入浴中の事故は、高齢者や、心臓病、高血圧、糖尿病などの持病を持っている方が多くを占めますが、持病がない普段元気な人でも入浴事故が起こる場合があります。

安全に入浴するために、以下の点に注意が必要です。
① 入浴前に、脱衣所や浴室をあたためましょう。
② 浴槽の温度は熱すぎず、長湯は控えましょう。浴槽から立ち上がる時はゆっくりと。
③ 入浴の前後には、コップ1杯程度の水分を補給しましょう。
③ 飲酒後、食後すぐの入浴は注意しましょう。
④ 高齢の方は、入浴する前に同居者に一声かける習慣をつけましょう。

「ヒートショック」の予防のためには、心臓病や、脳卒中の予防が大切です。心臓病や、脳卒中は、生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)をお持ちの方、喫煙者、肥満の方に起こる確率が高いといわれています。高血圧、高脂血症、糖尿病などの持病をお持ちの方、禁煙治療を希望の方はお気軽に当院にご相談ください。

2017-11-28 10:47:28

2017年11月号(第22号)【 「胸部レントゲン検査」 のお話 】

【「胸部レントゲン検査」 のお話】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第22号を発行いたしました。
本号では、「胸部レントゲン検査」のお話を掲載いたします。

胸部レントゲン検査は、胸部X線検査ともいわれています。
ドイツの物理学者、ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(Wilhelm Conrad Röntgen、1845年3月27日 – 1923年2月10日)が、手に当ててみると骨が透視できる謎の光を発見しました。この謎の光に対し、未知、無限という意味があるXを使ってX線と名付け、1895年に世界に報告しました。この功績により、1901年、レントゲン先生は、第1回ノーベル物理学賞を受賞しています。X線を最初に見つけたレントゲン先生の名前にちなんで、X線をレントゲンと言いうようになりました。

胸部レントゲン検査で分かる病気は、一般的には肺と心臓の病気です。具体的には以下の通りになります。

  • 「肺がん」の早期発見
  • 「肺炎」の診断(マイコプラズマ肺炎、肺炎球菌性肺炎、誤嚥性肺炎など)
  • 「ぜんそく」、「COPD(慢性閉塞性肺疾患・肺気腫)」の診断の補助
  • その他の肺や心臓の病気の診断(肺結核、非結核性抗酸菌症、間質性肺炎、気胸、心肥大など)

胸部レントゲン検査で異常を見つけた場合、さらに精密検査を行うために胸部CT検査を行う事もあります。
この中でも特に重要なのは、肺炎の診断と、肺がんの早期発見になると思います。

昨年のこの時期に大流行したマイコプラズマ肺炎を診断するためには、この胸部レントゲン検査が重要となります。
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという病原体(ウイルスに近い細菌)によっておこる、主に子どもや若者に多くみられる肺炎です。全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。頑固な咳(ひっきりなしに続く咳)、発熱が特徴になります。

日本人のお亡くなりになる原因の第3位が肺炎になっています(第1位はがん、第2位は心臓病)。これは高齢になるとものを飲み込む機能が衰え、食べ物や唾液が口の中の菌とともに気管・肺に入ってしまうことで生じる「誤嚥性肺炎」が主な原因です。

肺がんは、がんでお亡くなりになる部位の第1位を占めています。非喫煙者の肺がんも増えていますので、年に1回は必ず肺がん検診(胸部レントゲン写真を撮影します)を受けましょう。

ちなみにレントゲン検査による被ばくは気になるところだと思います。
Sv(シーベルト:放射線が人間に与える健康影響を評価する値)で被ばく量を比較しますと、
日本人の平均被ばく量は年間1mSv。人間の被ばくの許容量は年間50mSv。飛行機(東京~ニューヨーク)1回の被ばく量は0.2mSv。
胸部レントゲン撮影1回の被ばく量はおおよそ0.05mSvです(当院の胸部レントゲン装置(島津製作所エクシープロ)で撮影した胸部レントゲン撮影1回の被ばく量は現在計測中です)。
以上より、年間数回程度の胸部レントゲン撮影は、健康にほとんど影響がないと考えます。

2017-11-02 10:12:32

2017年10月号(第21号)【 インフルエンザワクチン 2017 】

【インフルエンザワクチン 2017】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第21号を発行いたしました。
本号では、「インフルエンザワクチン 2017」のお話を掲載いたします。

インフルエンザの予防のためには、インフルエンザワクチンを接種することが有効です。
今年のインフルエンザワクチンも、昨年に続いてA型インフルエンザウイルス2種類、B型インフルエンザウイルス2種類、合計4種類のインフルエンザウイルスに対する抗体が含まれています。

インフルエンザワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵に接種して増殖させ、漿尿液から精製・濃縮したウイルスをエーテルで部分分解し、更にホルマリンで不活化したもので、HAワクチンと呼ばれています。

2017年度のインフルエンザHAワクチン製造株 に含まれる抗体4種類
A型:A/シンガポール/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A型:A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)
B型:B/プーケット/3073/2013(山形系統)
B型:B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

インフルエンザワクチンの製造過程でニワトリの卵を用いていますが、ワクチンの中にはごく微量の卵の成分しか残っていないといわれています。
卵アレルギーがある場合、加工した卵を食べられるのであれば、インフルエンザワクチンの接種は可能です。加工した卵でアレルギーが出る場合は、皮内テストを行ったうえでインフルエンザワクチンが摂取できるかどうかを判断します。

成人(中学生以上)1回接種(過去のインフルエンザ感染による抗体を持っているため)
小児(小学生以下)2回接種(2~4週間隔で)(抗体を持っていないため)

成人の場合でも2回接種した方がより確実な予防接種の効果が期待できます。受験生など、より確実にインフルエンザを予防したい方は2回接種を行いましょう。
予防接種をうけてから抗体ができるまでに3~4週間かかります。例年インフルエンザが流行する1月までに抗体をつけるためには、12月中旬までに予防接種を受けましょう

今年のインフルエンザ予防接種は10月1日より開始します。インフルエンザの予防接種は診療時間内であれば予約せずにいつでも接種できます。また、特定の土曜日の午後に、「インフルエンザ予防接種 専用時間帯」を臨時開院いたします。土曜日の午前中は大変混雑いたしますので、土曜日にインフルエンザ予防接種を希望の方は、土曜日午後のインフルエンザ予防接種専用時間帯にご来院いただくようお願い申し上げます。

2017-09-21 10:13:54

2017年9月号(第20号)【 「RSウイルス感染症」が流行っています 】

【 「RSウイルス感染症」が流行っています 】

きし内科クリニック院長の岸雅人です。きし内科クリニック通信第20号を発行いたしました。
本号では「RSウイルス感染症」のお話を掲載いたします。

RSウイルスは、乳幼児の気管支炎(咳、ぜいぜい)を起こす代表的なウイルスです。

【疫学】
患者の約75%以上が、1歳以下の乳幼児に生じています。
乳児の半数以上が1歳までに、ほぼ100%が2歳までに感染するといわれています。終生免疫は獲得されないため、その後もどの年齢でも再感染は起こりますが、一般的には年長児以降では重症化はしません。

例年9月~翌年1月頃(秋から冬にかけて)で流行しますが、厚生労働省/国立感染症研究所の発表によりますと、今年はすでに8月の時点でRSウイルスは大流行を起こしています。当院にも8月の時点でRSウイルスに感染した乳幼児が多く来院しています。

【原因と感染経路】
病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主な感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。

【症状】
感染後4~5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳、発熱などの上気道症状が現れます。3割程度の患児はこのあと炎症が気管(下気道)まで波及して、気管支炎を発症し、咳の増強、ぜいぜいする(喘鳴:ぜんめい)、頻呼吸などが現れてきます。

1~3%の患児(特に1歳以下)が重症化し、入院治療を受けます。心肺に基礎疾患がある小児は重症化しやすいとされます。通常は数日~1週間で軽快します。

【RSウイルスと気管支ぜんそくとの関係】
冬季に乳児が鼻汁、咳に引き続いて「ぜいぜい」してきたような場合や、無呼吸を起こした場合は、その30~40%がRSウイルス感染症によると考えられます。このような状態を「ぜんそく様気管支炎」(ぜんそく症状を起こす気管支炎の意味)といいます。
一般的には2週間以内に改善しますが、将来的にぜんそくを発症する体質をもっている児がRSウイルスに感染すると、ひどいぜんそく症状を生じたり、そのまま長期にわたって喘鳴を繰り返す(RSウイルス感染がぜんそく発症の引き金になる)ことがあるので注意が必要です。

【診断】
RSウイルス迅速診断キットを用いて診断します。当院での診断時間は約8分となります。RSウイルス診断キットの保険適応は1歳未満の乳児のみとなっています。そのため当院では原則として、3歳未満の乳幼児のうち、ぜんそく症状がみられる児や、症状が改善しない児に限定してRSウイルスの診断キットを用いています。

【治療】
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。ウイルス感染のため抗生剤は無効です。
ぜんそく症状を認める場合は、気管支ぜんそくの治療(気道の炎症をおさえ、気道を広げる治療)を行います。

季節の変わり目は(RSウイルスに限らず)風邪にかかりやすい時期です。風邪にかかるとぜんそくや鼻炎の症状も悪化します。風邪にかからないよう、うがい・手洗いで予防しましょう。

2017-09-01 17:07:00

2017年8月号(第19号)【 熱中症予防のための水分補給 】

【 熱中症予防のための水分補給 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第19号を発行いたしました。
本号では「熱中症予防のための水分補給」のお話を掲載いたします。

人間の体の約60%は水分で出来ています。残りの40%は、蛋白質、脂肪、電解質(塩分・ナトリウムなど)で出来ています。

熱中症とは、汗をかくことによって、体に必要な水分電解質(塩分・ナトリウムなど)が失われることによっておこります。屋内・屋外を問わず高温や多湿等が原因となります。
熱中症は、スポーツや肉体労働などの活動中に生じる「労作性熱中症」と、日常生活で生じ、特に高齢者に多い「非労作性熱中症」の2つに大別されます。
気温が25℃になると熱中症の患者が発生し、31℃を超えると急増するといわれています。

熱中症の症状は、気分不快、顔面蒼白、血圧低下、手足のしびれ、筋肉痛などから始まり、ひどくなると、頭痛、吐き気、脱力感、大量発汗、頻脈、めまい、下痢を起こします。脳に必要な水分や電解質が送られなくなると、高熱意識障害を生じ、生命の危険を伴うこともあるため注意が必要です。

1日のうちに体内から失う水分量は、一般成人で約2500mLと言われています。
内訳は、尿で約1,500mL、不感蒸泄(発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失)が約900mlとなります。夏場はそれ以外に汗で水分を失うため、水分補給が重要になります。

夏の炎天下では、10分歩くと約100mLの汗をかくそうです。夏の室内で活動すると、一日の汗の量は約3000mLとなり、高温環境の工場で8時間働くと、汗の量は約12Lにも達するそうです。

スポーツをしている人や、汗をかく事の多い仕事をしている人にとっては、水分補給はもちろん、電解質(塩分)補給も重要です。 汗の成分は、99%が水分で、0.05~0.5%が塩分となっています。500mLの汗をかくと約1.5g、1,000mlの汗をかくと約3gの塩分が体外に出ていると考えられます。

夏場はこまめに水分補給を、激しい汗をかくことが予想される場合(90分以上の運動など)はスポーツドリンクや経口補水液などで水分と塩分補給を心がけましょう。

2017-07-23 16:17:00

2017年7月号(第18号)【 アデノウイルス感染症 】

【 アデノウイルス感染症 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第18号を発行いたしました。
本号では「アデノウイルス感染症」のお話を掲載いたします。

夏かぜを起こすウイルスで代表的なものに、アデノウイルスと、エンテロウイルスがあります。
今回はそのうちのアデノウイルスについて説明します。

アデノウイルスは温暖多湿の環境を好むウイルスです。そのためアデノウイルス感染症は例年夏に流行を起こします。寒冷乾燥を好み冬に流行を起こすインフルエンザウイルスとは異なります。 アデノウイルスと一口に言っても現時点で1型から51型まで合計51種類もの型に分類されており、種類によって、咽頭炎、胃腸炎、結膜炎、膀胱炎などを引き起こします。

アデノウイルスは、咳やくしゃみなどによってウイルスを含んだ唾液が飛び散ることや(飛沫感染)、タオルの共用などで、手についたウイルスが口や鼻から体内に入ることでも感染します(接触感染)。 乳幼児の感染が多いのですが、睡眠不足や過労、ストレスなどで免疫力が低下すると、大人でも感染します。感染した子供を看病しているうちに家族内で感染してしまうことが多いので注意が必要です。マスク着用や、トイレやおむつ替え後によく手を洗うことで感染を予防できます。

感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は5~7日間です。
感染しても何も症状が出ない(不顕性感染)場合から、軽い咽喉や鼻の風邪で済む場合、インフルエンザの様な高熱が出る場合、胃腸炎(下痢・嘔吐)を起こす場合、結膜炎を起こす場合まで症状の程度は様々です。
症状が治った後も、のどからは7~14日、便からは30日間はウイルスを排出し続けることがあります。
症状をこじらせると肺炎や無菌性髄膜炎を起こすこともあり注意が必要です。

妊婦さんがアデノウイルスに感染した場合、アデノウイルスは、胎児への有害事象は報告されておらず、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす心配はありません。ただ、妊娠中は免疫力が低下しているため、アデノウイルスも含めて感染症には注意しましょう。

アデノウイルス感染症の代表的な疾患に、咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎、アデノウイルス胃腸炎があります。

◎ 咽頭結膜熱(プール熱)
(塩素消毒でアデノウイルスが抑えきれなかった場合は)プールでうつることもあるため、別名プール熱ともいいます。急な発熱、食欲不振、咽頭炎、結膜炎が主症状です。発病から改善まで1週間程度かかります。症状消失2日後まで登校(登園)できません。

◎ 流行性角結膜炎
片方の目の結膜炎で最初に発症し、時間をおいて反対側の目が発症します。症状が消失するまで1~2週間かかります。結膜炎の症状が消失するまで登校(登園)できません。

◎ アデノウイルス性胃腸炎
主な症状は下痢・腹痛で1~2週間程度続くことがあります。ノロウイルスやロタウイルスのような激しい嘔吐を伴う頻度は少ないですが、咽頭炎や結膜炎、頭痛を合併する頻度が高くなります。

いずれも当院のアデノウイルス迅速診断キットで診断できますが、アデノウイルスに対する特効薬は存在しないため、解熱剤、痛み止め、抗炎症剤、整腸剤などで対症療法を行います。

夏かぜにかからないよう、うがい・手洗いで予防しましょう。

2017-06-27 11:06:00

2017年6月号(第17号)【 梅雨の季節の咳 「咳ぜんそく」 】

【 梅雨の季節の咳 「咳ぜんそく」 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第17号を発行いたしました。
本号では昨年に引き続き、梅雨の季節の咳「咳ぜんそく」のお話を掲載いたします。

梅雨の時期や、秋の台風の時期など、季節の変わり目の咳でお困りの方は、「咳ぜんそく」かもしれません。
「気管支ぜんそく」とは、様々な原因で気管(空気の通り道)に炎症が起こる病気です。
主な症状は、息苦しさ、咳、痰、のどや胸の違和感・いがいが感、鼻水、鼻づまりなどです。
「気管支ぜんそく」の中で、息苦しさを伴わず、咳を主な症状とするものは、「咳ぜんそく」といいます。

咳ぜんそく、気管支ぜんそくを引き起こす原因、悪化する原因は、大きく分けて4つあります。
① 気候の変化(気温、湿度、気圧の変化などで、気管内の環境が変化することが原因)
② アレルギー・刺激物質の吸入(ほこり、花粉、カビ、喫煙、香水などによる気管の刺激が原因)
③ 疲労、精神的ストレス(心を支配する自律神経は気管にも通じています。)
④ 風邪(風邪のウイルスや菌が気管に炎症が起こし、気管の粘膜が刺激を受けやすくなっているため)

これらが誘因で気管に炎症が起こり、咳が長く続く人を咳ぜんそくと診断します。

6月の梅雨の時期は、
① 気温・気圧の変化が大きい。
② アレルギー物質である「ダニ」「カビ」が発生しやすい(湿度が高いため)。
③ イネ科の花粉「カモガヤ」「ネズミホソムギ」が、江戸川の河川敷などから多く飛散する。
④ 夏かぜ「アデノウイルス」「エンテロウイルス」の流行。
など、咳ぜんそくを引き起こしやすい要因がそろっています。

風邪や気管支炎の咳は一日を通して常に認めるのに対し、ぜんそくでは(気管内に刺激を受ける)以下のような特定の環境で、咳がひどくなるのが特徴です。
① 夜寝るとき、朝起きたとき(睡眠で気管内の環境が変わるため。布団のほこりも一因。)
② お風呂あがりや、ラーメンなど暖かい食べ物の湯気をすったとき(気管内の温度が急に変わるため)
③ しゃべるとき・歌うとき(空気を多く吸うので気管の中の温度・湿度が変化するため)

梅雨の時期や、秋の台風の時期などの季節の変わり目の咳でお困りの方は、ぜひ当院にご相談下さい。

2017-06-01 09:20:00

2017年5月号(第16号)【 5月からは「イネ科の花粉症」に注意しましょう 】

【 5月からは「イネ科の花粉症」に注意しましょう 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第16号を発行いたしました。
本号では、イネ科の花粉症のお話を掲載いたします。

5月に入り、スギ花粉症の季節が終わったにもかかわらず、花粉症の症状がいつまでも続いている人はいませんか。
スギもヒノキも、同じヒノキ科に属する植物なので、スギ花粉とヒノキ花粉のアレルギーを起こす部分が似ています。そのためスギ花粉症の人の多くはヒノキ花粉症も合併しています。スギ・ヒノキ花粉が多く飛散する時期は、大体1月下旬から5月上旬ごろまでになります。そのためスギ花粉症は1月~3月の間に症状が出現し、ゴールデンウイーク明け頃までに症状がなくなるのが一般的です。

ゴールデンウイークを明けても花粉症の症状が続く人は、イネ科の花粉症にかかっている可能性があります。
イネ科の花粉症の代表は、「カモガヤ」「オオアワガエリ」です。カモガヤの別名を「オーチャードグラス」、オオアワガエリの別名を「チモシー」といいます。ともに飼料用(主に採草用)として最も広く利用され、沖縄を除く全国で栽培されています。花粉の飛散時期は5月~8月になります。空き地・道端・畑の周辺などに、ほぼ日本全域に生息しています。
また、江戸川の河川敷にも多くのイネ科の植物が植生しています。江戸川の堤防の植生は築堤時においては「ノシバ」が植栽されていました。その後の植物の遷移や、周辺からの様々な植物の侵入により、現在の市川市周辺の江戸川堤防では、イネ科の「ネズミホソムギ」を中心とする寒地型の外来牧草類が広く分布しています。「ネズミホソムギ」の花粉の飛散時期は5月中旬~8月上旬(ピークは5月中旬~6月下旬)になります。

イネ科の花粉はスギ花粉のように広範囲に飛散しません。スギ花粉は10km以上飛散する一方、イネ科の花粉は多くて200m程度しか飛散しません。江戸川の河川敷を散歩すると花粉症の症状が悪くなる人は、イネ科の「ネズミホソムギ」の花粉症の可能性が高いと考えます。

花粉症は花粉が体の粘膜(目・鼻・気管支・皮膚)に付着することで生じます。下記のように花粉が付着する部位で様々な症状を認めます。

目に付着すると:目のかゆみ(アレルギー性結膜炎)、
鼻に付着すると:鼻水・鼻づまり・くしゃみ・頭痛(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎)、
気管支に入ると長引く咳、痰、のどのいがいが感(気管支炎、気管支ぜんそくの悪化)、
皮膚に付着すると:皮膚のかゆみ(アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の悪化)を引き起こします。

長引く咳や、気管支ぜんそくでお困りの方はいらっしゃいませんか。長引く咳や、気管支ぜんそく発作の原因に、イネ科の花粉症が関与しているかもしれません。また新年度を迎え、職場や学校などの生活環境が大きく変わることのストレス(5月病)や、季節の変わり目(天候の変化・気温の寒暖差が大きい)も、長引く咳や気管支ぜんそくを悪くする要因となります。
5月のアレルギー症状や、長引く咳、気管支ぜんそくでお困りの方は、ぜひ当院にお気軽にご相談ください。
 

2017-04-27 11:54:35

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