きし内科クリニック 内科・呼吸器内科・アレルギー科・小児科

きし内科クリニック
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きし内科クリニック通信

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◆きし内科クリニック通信2025年7月号(114号)【「夏かぜ」に注意しましょう 】を掲載いたしました。

【「夏かぜ」 に注意しましょう】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。 きし内科クリニック通信 第114号を発行いたしました。
暑い日が続きますが、皆さま体調はいかがでしょうか。夏といえば、熱中症や食中毒が気になる季節ですが、実は「夏かぜ」も意外と多いことをご存じでしょうか?本号では、「夏かぜ」のお話を掲載いたします。
 

夏かぜとは、夏に流行しやすいウイルス感染症の総称です。冬のかぜが「ライノウイルス」や「インフルエンザウイルス」などによるものに対し、夏かぜは主にエンテロウイルス(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)やアデノウイルスが原因となります。どちらのウイルスも、気道分泌物からの飛沫感染や、便・嘔吐物からの接触感染を起こします。感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は約3~7日間です。乳幼児の感染が多いのですが大人も感染します。感染しても何も症状が出ない(不顕性感染)場合から、軽いのどや鼻や咳の風邪で済む場合、インフルエンザの様な高熱が出る場合、胃腸炎(下痢・嘔吐)や発疹、結膜炎を起こす場合まで症状の程度は様々です。症状をこじらせると肺炎やまれに激しい頭痛を伴う無菌性髄膜炎を起こすこともあり注意が必要です。
 

「エンテロウイルス」エンテロウイルス感染症の代表的な疾患に、手足口病、ヘルパンギーナがあります。
◎手足口病
乳幼児やこどもでよく見られる病気です。その名のとおり、手・足・口の中に発疹や水疱ができ、微熱や食欲不振を伴うことがあります。発熱後1~2日で口の中の痛み・発疹が出現します。発疹は手のひらや足の裏、おしりなどに出現し、痛みを伴うこともあります。
◎ヘルパンギーナ
乳幼児やこどもでよく見られる病気です。急な高熱と口の中にできる小さな水ぶくれ(口内炎)が特徴で、飲食のときに痛みます。口の中の水疱と潰瘍は、3~5日間ほど続きますが、通常は1週間以内に治ります。
 

「アデノウイルス」アデノウイルス感染症の代表的な疾患に、咽頭結膜熱(プール熱)があります。
◎咽頭結膜熱(プール熱)
プールでうつることが多かったためプール熱ともいいます。今はプールの感染予防・消毒が徹底されているため、プールでうつることは多くはありません。急な発熱、食欲不振、咽頭炎、結膜炎が主症状です。発病から改善まで1週間程度かかります。
 

夏かぜは基本的にはウイルス感染のため、特効薬はありません。治療は対症療法が中心で、発熱時の解熱剤や、口の痛みで食事がとりにくい時には冷たい飲み物やゼリーなどで水分・栄養補給を行います。乳幼児や高齢者では、脱水症状に注意が必要です。「おしっこの回数が少ない」「ぐったりしている」などのサインがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。
 

夏かぜを防ぐためには、石けんを使って丁寧に手を洗うこと大切です。またタオルからも感染するので注意しましょう。エアコンの使いすぎで体が冷えると免疫力が下がりますので注意が必要です。
夏かぜは一見軽く見られがちですが、発熱や食欲不振でつらい症状が出ることもあります。お子さんやご高齢の方は特に注意が必要です。「いつもと違う症状だな」「長引いているな」と感じたら、お気軽に当院までご相談ください。
元気に夏を乗り切るためにも、日頃の体調管理と予防を心がけましょう。
 

2025-07-11 13:16:16

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◆きし内科クリニック通信2025年6月号(113号)【 梅雨の時季の咳「咳ぜんそく」】を掲載いたしました。

【 梅雨の時季の咳 「咳ぜんそく」 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第113号を発行いたしました。
本号では、梅雨の時季の咳「咳ぜんそく」のお話を掲載いたします。

新型コロナウイルスの流行により子どもたち(特に幼児)が感染対策を徹底した結果、免疫を持たない子こどもたちが多くなりました。子どもたちが免疫を持たないため、最近の2年間は子どもの感染症(RSウイルス感染症、溶連菌、マイコプラズマ、手足口病、インフルエンザなど)の大流行が続きました。子どもたちが一通りの細菌・ウイルスに感染した結果集団免疫を獲得して、今年に入ってからは大きな感染症の流行はみられていないようです。細菌・ウイルス感染を乗り越えて抗体を作ることが、子どもの成長に必要なのだなとしみじみと実感しています。

今年も梅雨の季節がやってきました。今年の日本気象協会の「梅雨入り予想」では、九州北部~関東甲信は6月上旬に梅雨入りし、平年並みの梅雨入りとなるようです。平年より遅い6月下旬の梅雨入りとなった昨年と比べると、今年は全国的に梅雨入りの早まるところが多くなるそうです。

毎年梅雨の季節に咳が長引く方、風邪薬を内服しても咳だけが長びいておさまらない方はいらっしゃいませんか。梅雨の時期、秋の台風の時期など、季節の変わり目の咳でお困りの方は、「咳ぜんそく」かもしれません。
「気管支ぜんそく」とは、様々な原因で気管(空気の通り道)に、慢性の長びく(好酸球浸潤を伴う)炎症が起こる病気です。つまり、「気管支ぜんそく」=「気管支炎が長く続き、なかなか治らない病態。」と大まかに言い換えることが出来ます。
主な症状は、息苦しさ、咳、痰、のどや胸の違和感・いがいが感、鼻水、鼻づまりなどになります。
「気管支ぜんそく」の中で、息苦しさを伴わず、咳を主な症状とするものを、「咳ぜんそく」といいます。

「気管支ぜんそく」「咳ぜんそく」を引き起こす原因は、以下のように大きく5つに分けられます。
①気候の変化・激しい運動(気温、湿度、気圧の変化などが、気管を刺激するため。)
②アレルギー・刺激物質の吸入(ほこり、花粉、カビ、喫煙、香水などが、気管を刺激するため。)
③疲労、精神的ストレス(心を支配する自律神経が気管に通じているため。)
④風邪(風邪のウイルスや菌が気管に炎症を起こし、気管の粘膜が刺激を受けやすくなるため。)
⑤妊娠・出産(妊娠による体のホルモン環境の変化や、育児などによる生活環境の急激な変化が要因。)

6月の梅雨の時期は、以下のように咳ぜんそくを引き起こしやすい要因がそろっています。
①気温・気圧・湿度の変化が大きい。
②アレルギー物質である「ダニ」「カビ」が発生しやすい(湿度が高いため)。
③イネ科の花粉「ネズミホソムギ」「カモガヤ」「オオアワガエリ」などが、江戸川の河川敷などから多く飛散する。
④新年度で職場や住環境が変わることによるストレス(五月病)
④夏かぜ「アデノウイルス」「エンテロウイルス」などの流行。

ぜんそくによる咳の場合は、特に以下の条件でひどくなることが多いといわれています。
①夜布団に入るときや、寝ているとき、朝起きたとき。
②お風呂あがり、電車に乗るときなど、急激に気温や湿度や気圧が変化するとき。
③運動したとき、しゃべるとき、歌うとき、ラーメンを食べるとき、強いにおいをかいだときなど、気管が刺激をうけるとき。

咳ぜんそくの治療は、気管支ぜんそくの治療と同じで、吸入ステロイド薬と吸入気管支拡張薬が中心となります。ステロイド薬は副作用が心配というイメージがあるかもしれませんが、吸入や点鼻のステロイド薬は、内服のステロイド薬と異なり、お子様や妊婦さんが使用しても安全ですので安心してください。
長引く咳、止まらない咳でお困りの方は、ぜひ当院にご相談下さい。

2025-05-26 12:52:08

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◆きし内科クリニック通信2025年5月号(第112号)【 「イネ科の花粉症」の季節です】を掲載いたしました。

【 「イネ科の花粉症」の季節です 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。
きし内科クリニック通信 第112号では、今年もイネ科の花粉症のお話を掲載いたします。

新型コロナウイルスの流行により子どもたち(特に幼児)が感染対策を徹底した結果、免疫を持たない子こどもたちが多くなりました。子どもたちが免疫を持たないため、最近の2年間は子どもの感染症(RSウイルス感染症、溶連菌、マイコプラズマ、手足口病、インフルエンザなど)の大流行が続きました。子どもたちが一通りの細菌・ウイルスに感染した結果集団免疫を獲得して、今年に入ってからは大きな感染症の流行はみられていないようです。細菌・ウイルス感染を乗り越えて抗体を作ることが、子どもの成長に必要なのだなとしみじみと実感しています。

あたたかくなり、江戸川の河川敷の散歩がとても心地よい季節になりました。
今年は昨年と比較してスギ・ヒノキの飛散量が多くはなかったようです。しかしイネ科の花粉症をお持ちの方はこれからが花粉症の本番です。イネ科の花粉の飛散は例年4月上旬ごろからから始まり、5月以降にピークを迎えるためです。

江戸川の河川敷に多くのイネ科の植物が植生しています。現在の市川市周辺の江戸川堤防では、イネ科の「ネズミホソムギ」を中心とする寒地型の外来牧草類が広く分布しています。

「ネズミホソムギ」(鼠細麦:イネ科ネズミムギ属)は、ネズミムギとホソムギの中間型の帰化植物で、別名を「イタリアンライグラス」といいます。緑化や飼料用に栽培される一年草または越年草で、丈は40-70cmになります。
「ネズミホソムギ」の花粉の飛散時期は5月中旬~8月上旬(ピークは5月中旬~6月下旬)になります。

その他の花粉症を引き起こすイネ科の植物に、「カモガヤ」「オオアワガエリ」があります。カモガヤの別名を「オーチャードグラス」、オオアワガエリの別名を「チモシー」といいます。ともに飼料用(主に採草用)として最も広く利用され、沖縄を除く全国で栽培されています。花粉の飛散時期は5月~8月になります。空き地・道端・畑の周辺などに、ほぼ日本全域に生息しています。

イネ科の花粉はスギ花粉のように広範囲に飛散しません。スギ花粉は10km以上飛散する一方、イネ科の花粉は多くて200m程度しか飛散しません。江戸川の河川敷を散歩すると花粉症の症状が悪くなる人は、イネ科の「ネズミホソムギ」の花粉症の可能性が高いと考えます。

ところで、イネ科の花粉症に罹患すると、口腔アレルギー症候群(花粉-食物アレルギー症候群)を引き起こす場合があることが知られています。口腔アレルギー症候群とは、果物や野菜を食べた際、約15分以内に唇や口の中にイガイガ感・かゆみ・腫れなどのアレルギー症状があらわれる病気です。特定の花粉に含まれる抗原物質と特定の果物・野菜に含まれる抗原物質で似ているものがあります。そのため特定の花粉に対してアレルギーを起こすと、特定の果物・野菜に対してもアレルギーを引き起こしてしまうことがあり、イネ科の花粉症に罹患すると特定の食物の口腔アレルギーを生じる原因になります。イネ科の花粉に含まれる抗原物質と似ている抗原をもつ食物は、ウリ科(メロン、スイカ)、ナス科(トマト、じゃがいも)、マタタビ科(キウイ)、ミカン科(オレンジ)、マメ科(ピーナッツ)が知られています。これらの果物や野菜を食べた後に口の中がイガイガする人は、イネ科の花粉症の可能性があります。

ゴールデンウイークが明けても花粉症の症状が続く方、血液採取によるアレルギー検査を希望の方、ダニやスギ花粉症の舌下免疫療法をご希望の方は、当院にお気軽にご相談ください。

2025-05-02 11:49:06

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◆クリニック通信2025年4月号(第111号)【*スギ花粉症の舌下免疫療法】*を掲載いたしました。

【スギ花粉症の舌下免疫療法】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第111号を発行いたしました。
本号では、「スギ花粉症舌下免疫療法」のお話を掲載いたします。
 
スギ・ヒノキの花粉症が猛威を振るっています。
NPO法人花粉情報協会のデータでは、今年の東京都千代田区のスギ花粉飛散開始日は2月15日で、2月の合計スギ花粉飛散量は427.9/㎠でした。昨年の2月の合計スギ花粉飛散量は957.9/㎠でしたので、今年の2月~3月初旬のスギ花粉飛散量は、昨年の飛散量を上回ってはいないようです。

 日本気象協会ホームページによりますと、3月中旬以降も花粉の飛散量が多い日が連日続く見込みだそうです。スギ花粉飛散のピークは、東京では3月下旬までの予想です。スギ花粉飛散のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉飛散のピークを迎えます。ヒノキ花粉飛散のピークは、 東京では4月上旬から4月半ばにかけての予想です。4月半ば以降は花粉の飛散は次第に終息に向かいますが、例年同様にゴールデンウィークごろまでは花粉の飛散が続く見込みです。

スギ花粉によるアレルギー性炎症の総称をスギ花粉症といいます。具体的にはスギ花粉による「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「アレルギー性気管支炎」「アレルギー性皮膚炎」の全てを総称して、スギ花粉症といいます。スギはヒノキ科の植物のため、スギ花粉症患者のほとんどはヒノキ花粉症も合併し「スギ・ヒノキ花粉症」とも称されます。スギ・ヒノキ花粉の飛散時期は、通常は1月下旬~5月上旬ごろになります。

花粉症治療の基本は、以下の通りになります。
抗原回避(衣服や寝具の部屋干し、寝具への花粉の付着の防止、布団掃除、マスク着用など)
薬物治療(内服薬、点鼻薬、点眼薬など。)

これらの治療で効果不十分の場合は、スギ花粉症舌下免疫療法の適応になります。
スギ花粉症舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法、減感作療法)とは、スギ花粉を含むエキスを舌の下に投与し、少しずつ体内に吸収させることで、スギ花粉に対するアレルギー反応を弱めていく治療法です。
具体的には、薬を舌の下に1分間保持してから飲み込みます。これを1日1回、約4年間行うことで、約90%の患者さんのスギ花粉症の症状が軽減するといわれています。治療は保険適用になります。スギ花粉症とダニアレルギーの舌下免疫療法を合わせると、これまで約800例の患者さんが当院で治療を行っています。
スギ花粉症舌下免疫療法は、5歳以上の年齢の方全てに行うことが出来ますが、新規に開始することができる時期は、スギ・ヒノキ花粉が飛散していない時期(5月GW明け~12月末まで)になります。
なお、重症ぜんそくの方、ステロイド内服中(点鼻・吸入ステロイドは可)の方、抗がん剤やβ遮断薬など特定の薬を使用されている方は治療を行うことができません。妊娠中の方は妊娠中に新規に治療を開始することはできませんが、内服治療中に懐妊しても問題なく治療を継続することができます。
 
当院では、私自身のスギ花粉症治療の経験も踏まえながら、患者様の個々のニーズに合った最適な花粉症治療の提案を出来るように努めています。花粉症でお困りの方は是非当院にお気軽にご相談ください。
 

2025-03-31 10:00:05

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きし内科クリニック通信2025年3月号(第110号) 【 スポーツを始めたら「運動誘発ぜんそく」に注意しましょう。】

【スポーツを始めたら「運動誘発ぜんそく」に注意しましょう】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第110号を発行いたしました。
本号では、激しいスポーツを始めた後に発症する「運動誘発ぜんそく」のお話を掲載いたします。
 
「気管支ぜんそく」とは、様々な原因で気管(空気の通り道)に、慢性の長びく(好酸球浸潤を伴う)炎症が起こる病気です。つまり、「気管支喘息」=「気管支炎が長く続き、なかなか治らない病態。」と大まかに言い換えることが出来ます。
主な症状は、息苦しさのどや胸の違和感・いがいが感鼻水鼻づまりなどになります。
「気管支ぜんそく」の中で、息苦しさを伴わず、咳を主な症状とするものを、「咳ぜんそく」ということもあります。
 
「気管支ぜんそく」「咳ぜんそく」を引き起こす原因は、以下のように大きく5つに分けられます。

  ①気候の変化(気温、湿度、気圧の変化などが、気管を刺激するため。)
  ②アレルギー・刺激物質の吸入(ほこり、花粉、カビ、喫煙、香水などが、気管を刺激するため。)
  ③疲労、精神的ストレス(心を支配する自律神経が気管に通じているため。)
  ④風邪(風邪のウイルスや菌が気管に炎症を起こし、気管の粘膜が刺激を受けやすくなるため。)
  ⑤妊娠・出産(妊娠による体のホルモン環境の変化や、育児などによる生活環境の急激な変化が要因。)
 
気管支ぜんそくのうち、運動に伴って発作が誘発されるものを運動誘発ぜんそく(アスリートぜんそく)と呼んでいます。運動誘発ぜんそくの原因は、①運動による激しい呼吸、②冷気・ほこり・アレルギー誘発物質などの吸入、③気道の乾燥など、気管への様々な刺激などが複合して発症すると考えられます。高温で多湿な夏季よりも、気温と湿度の低い寒冷期の運動で症状が起こりやすい傾向があります。
ここで、スポーツ選手のぜんそく罹患率を調査した英国の病院の研究結果を紹介いたします。対象はオリンピック候補となる一流スポーツ選手で18歳以上の非喫煙者122人です(女性45%、平均年齢24歳)。結果は約半数(58%)の人が運動で誘発性する呼吸器症状を訴えました。内訳は、咳44%、喘鳴(ぜーぜー)24%、胸のしめつけ感32%、呼吸困難18%。全体の32%で喘息症状を認め、全員がぜんそくの吸入治療薬を使用していたそうです。
2. Hull JH. et al. The benefits of a systemic assessment of respiratory health in illness-susceptible athletes. Eur Respir J 2021; 57: 2003722
 
お子様がスポーツを行うことは、健康な発育にとても重要な役割を果たすと考えます。その反面、激しいスポーツを行うと一定程度の体への負担が生じることも事実です。スポーツを始めた人で、気管支ぜんそくの症状が再燃した人、新たに気管支ぜんそくの症状を認めた人、咳が止まらなくなった人は運動誘発ぜんそくの可能性を考える必要があると思います。運動誘発ぜんそくを起こしやすいスポーツは、常に走り回っていて運動負荷が大きく、持久力が必要な運動(サッカー、バスケット、ダンス、フルマラソンなど)に多い印象です。また気温の低い場所で行うスケートやスキーでも、運動誘発ぜんそくは起こりやすくなります。一方、気道が湿度で潤う水泳や、適度な運動では、運動誘発ぜんそくは起こりにくいとされています。
 
運動誘発ぜんそくは、適切な治療による管理ができれば発作は起こりにくくなりますので、運動制限をする必要はありません。ぜんそくのない人と同じようにスポーツに取り組むことができますが、運動をしている以上は運動誘発ぜんそくの完全治癒を目指すことが難しいことも事実です。適切な治療を行うためにも運動誘発ぜんそくかもしれないと思ったらぜひ当院にご相談下さい。
 

2025-03-06 14:24:23

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きし内科クリニック通信2025年2月号(第109号) 【 「スギ花粉」が飛び始めました。】

【スギ花粉が飛び始めました】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第109号を発行いたしました。
本号では、「スギ花粉症のお話」を掲載いたします。

1月下旬よりスギ花粉の飛散が開始しました。過去のクリニック通信でたびたび申し上げているように、私はひどいスギ・ヒノキ花粉症なのですでに花粉症の症状が現れています。
日本気象協会ホームページによりますとスギ花粉の飛散開始時期は例年並みで、関東はで2月中旬から本格的な飛散開始となるようです。スギ花粉飛散のピークは東京で(例年並みの)2月下旬から、ピークは1か月ほど続く見込みだそうです。また、ヒノキ花粉飛散のピークは(3月の気温が高めのため例年より早く)3月下旬から4月上旬になり、ピークは2週間ほど続く見込みだそうです。

スギ花粉症の一番の対策は、スギ花粉の吸入・接触を避けることです。スギ花粉は粒状物なので風が強い日は空気中に舞いますが、その後地面に落下します。また洋服にも付着します。空気中に舞っているスギ花粉をマスクで予防することはもちろんですが、地面や洋服に付着している花粉を吸いこまないことも重要になります。地面に落下している花粉を吸いこむことが最も多い時間は、夜にベッドや布団に顔をうずめて寝ているときになります。スギ花粉を避けるのに有効な対策として、布団やベッドにスギ花粉を付着させないこと、洋服に付着したスギ花粉を自宅に持ち帰らないことの2点が特に重要になります。
具体的には、窓を開けて寝室の換気をしない」 「シーツや布団は部屋干しする」 「布団に花粉が付着した場合は掃除機で吸い取る」 「寝室の枕元に空気清浄機を設置する」 「衣服は部屋干しにする」 「特に寝具に花粉を付着させないように注意するになります。
新型コロナウイルス流行の経験からマスクを着用することは慣れましたが、感染予防には部屋の換気も必要ため、スギ花粉の室内の侵入には特に注意が必要です。

スギ花粉によるアレルギー性炎症の総称をスギ花粉症といいます。具体的にはスギ花粉による「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「アレルギー性気管支炎」「アレルギー性皮膚炎」の全てを総称して、スギ花粉症というのです。スギはヒノキ科の植物のため、スギ花粉症患者のほとんどはヒノキ花粉症も合併し「スギ・ヒノキ花粉症」とも称されます。スギ・ヒノキ花粉の飛散時期は、例年1月下旬~5月上旬ごろになります。

スギ花粉症(スギ花粉によるアレルギー性炎症)の具体的な症状を、以下に示します。
【アレルギー性鼻炎】 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻のかゆみ・むずむず感、頭重感、前頭部痛
【アレルギー性結膜炎】 目のかゆみ、充血、目のまわりの腫れ
【アレルギー性皮膚炎】 皮膚のかゆみ、赤み、皮膚のかさつき(特に鼻~頬の辺りに多い)
【アレルギー性気管支炎】 咳、痰、喉のいがいが感(スギ花粉によって誘発される「咳ぜんそく」とほぼ同じ症状です)

スギ花粉症の症状で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみは有名ですが、いったん出始めると止まらなくなる咳(特に夜中に多い)や、皮膚のかゆみも花粉症の症状の可能性があるので注意が必要です。
風邪の症状とも似ていますが、目のかゆみを伴う場合や2週間以上症状が続く場合は、風邪ではなく花粉症を強く疑います。


花粉症の治療は、内服薬、点鼻薬、点眼薬などで行います。従来の花粉症治療薬は眠気を催すものが多かったのですが、眠くなりにくくある程度の効果が期待できる薬も開発されています。
スギ花粉の飛散が終わる5月中旬より「スギ花粉症舌下免疫療法」を合わせて行うことも可能です。
私自身のスギ花粉症治療の経験も踏まえながら、患者様の個々のニーズに合った最適な花粉症治療の提案を出来るように努めます。花粉症でお困りの方は是非当院にお気軽にご相談ください。

 

2025-01-28 09:20:37

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きし内科クリニック通信2025年1月号 (第108号)【インフルエンザが大流行。新型コロナウイルスも流行り始めています。】

【インフルエンザが大流行。新型コロナウイルスも流行り始めています。】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第108号を発行いたしました。
2016年4月に開院した当院も、2025年で10年目を迎えることが出来ました。これからも宜しくお願い致します。
本号では、「インフルエンザ・新型コロナ同時流行」のお話を掲載いたします。

2024年12月の初めからインフルエンザが大流行しています。
下図は、東京都感染症情報センターによる過去5年間のインフルエンザの定点医療機関当たりの患者報告数とインフルエンザの型別検出割合をグラフで示したものです。
 

定点医療機関当たり患者報告数 2025年1月1日(第48週)まで

現在流行しているインフルエンザはA型(H1N1)株です。急に発症する高熱、悪寒、関節痛が特徴です。
インフルエンザに対する抗体を持っていない場合、小児や高齢者は重症化するリスクが高まります。インフルエンザ予防接種をうけてインフルエンザの重症化をおさえることが大切であると考えます。
インフルエンザワクチンを接種していない方は、今からでも遅くはないのでできるだけインフルエンザ予防接種を受けましょう。今年のインフルエンザワクチンも、昨年に続いてA型インフルエンザウイルス2種類、B型インフルエンザウイルス2種類、合計4種類のインフルエンザウイルスに対する抗体が含まれています。

また、2024年12月より、新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じています(下図:NHKより)。

2024年5月からの新型コロナウイルス感染症の流行(通算第11波目)は、オミクロン株「BA.2」系統の「KP.3」変異株の流行でした。今回の流行(通算第12波目)も同じ「KP.3」株の流行のようです。
オミクロン系統KP.3株の潜伏期間は約3日(2日~5日)程度と考えられます。臨床症状は、発熱とのどの痛みが多いようです。新型コロナウイルス感染症は若年者においては弱毒化の傾向にあり、小児や若年成人が罹患してもほとんどただの風邪と見分けがつかない場合も多いです。しかし高齢者、特に基礎疾患を持つ高齢者は重症化の恐れがあり注意が必要です。高齢者が新型コロナに罹患した場合は、重症化予防効果があると考えられる新型コロナウイルスに対する治療薬(エンシトレルビル:ゾコーバ)の内服をお勧めしていますが、薬価が高く自己負担額が3割負担の方で約15500円となっています。高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、できるだけ新型コロナワクチン接種を行いましょう。

「ワクチンで感染予防を行う」「風邪をひいたら高齢者に接しない」ことが大切と考えます。今後もインフルエンザ・新型コロナ感染症は、地球上からなくなる見込みはありません。風邪症状でお困りの方はお気軽に当院にご相談ください。最近は混雑のため予約が大変とりにくく、申し訳なく感じております。午後の予約であれば13時45分ちょうどにネット予約を行うことで予約が取れる場合が多いと思いますのでよろしくお願いいたします。

2025-01-15 09:56:59

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きし内科クリニック通信2024年12月号 (第107号)【「インフルエンザの流行が始まりました」今からでもインフルエンザワクチンを接種しましょう。】

【「インフルエンザの流行が始まりました」今からでもインフルエンザワクチンを接種しましょう。】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第107号を発行いたしました。
インフルエンザの流行が始まり、当院でも12月に入ってからインフルエンザの患者数が急増しています。
下図は、東京都感染症情報センターによる過去5年間のインフルエンザの定点医療機関当たりの患者報告数と
インフルエンザの型別検出割合をグラフで示したものです。

定点医療機関当たり患者報告数 2024年12月1日(第48週)まで


新型コロナウイルスの流行による感染予防の徹底のため、2021年までの2年間は冬期にインフルエンザの流行が全く起こりませんでした。そのため日本人のインフルエンザ抗体の保有量が全体的に少なくなりました。その反動で、2022年の冬に再びインフルエンザの流行が始まり、2023年(昨年)の冬はインフルエンザが大流行したのは記憶に新しいと思います。その後、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたため、今までなりを潜めていた小児感染症が、再び流行し始めました。一昨年夏はRSウイルス感染症、今年春は溶連菌感染症、昨年と今年の夏は手足口病、今年の夏から秋にかけてはマイコプラズマ感染症が大流行しました。今冬における次の流行はインフルエンザの感染症になるようです。現在流行しているインフルエンザはA型(H1N1)株です。急に発症する高熱、悪寒、関節痛が特徴です。

インフルエンザに対する抗体を持っていない場合、小児や高齢者は重症化するリスクが高まります。インフルエンザ予防接種をうけてインフルエンザの重症化をおさえることが大切であると考えます。 インフルエンザワクチンを接種すると、インフルエンザに罹患する確率が低下し、またインフルエンザに罹患した際も重症化を予防することができます。インフルエンザワクチン接種とインフルエンザ治療薬の服用で、有熱期間がかなり短縮している印象があります。インフルエンザワクチンを接種していない方は、今からでも遅くはないのでできるだけインフルエンザ予防接種を受けましょう。今年のインフルエンザワクチンも、昨年に続いてA型インフルエンザウイルス2種類、B型インフルエンザウイルス2種類、合計4種類のインフルエンザウイルスに対する抗体が含まれています。

インフルエンザワクチンの接種料金は、昨年と同様1回3500円(税込み)です。2回接種の方で、当院で2回目の接種を行う場合は、2回目の接種料金が3000円に減額になります。65歳以上の市川市在住の方は、高齢者インフルエンザ予防接種の医療費助成が受けられます(1回1500円に減額)ので、高齢者インフルエンザ予防接種専用の問診票を持参して来院してください。

風邪症状でお困りの方はお気軽に当院にご相談ください。最近は混雑のため予約が大変とりにくく、申し訳なく感じております。午前中の予約が一杯の場合、午後の予約であれば14時45分ちょうどにネット予約を行うと予約が取れる場合が多いと思いますのでよろしくお願いいたします。

2024-12-10 09:52:02

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きし内科クリニック通信2024年11月号 (第106号)【インフルエンザワクチンを接種しましょう】

【 インフルエンザワクチンを接種しましょう 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第106号を発行いたしました。
本号では、「インフルエンザ予防接種」について掲載いたします。

10月1日より今年のインフルエンザ予防接種が開始しました。
インフルエンザの予防接種を希望の方は、通常の診察と同様に診療時間内に受診してください(インターネット予約をお願い致します)。
インフルエンザワクチンと、新型コロナワクチンなどの他のワクチンとの接種間隔の規定はありません。インフルエンザワクチンは他のワクチン間隔を空けずに接種することができ、また他のワクチンと同時に接種することもできます。

下図は、東京都感染症情報センターによる過去5年間のインフルエンザの定点医療機関当たりの患者報告数をグラフで示したものです。

定点医療機関当たり患者報告数 2024年11月3日(第44週)まで


新型コロナウイルスの流行による感染予防の徹底のため、2021年までの2年間は冬期にインフルエンザの流行が全く起こりませんでした。そのため日本人のインフルエンザ抗体の保有量が全体的に少なくなりました。その反動で、2022年の冬に再びインフルエンザの流行が始まり、2023年(昨年)の冬はインフルエンザが大流行したのは記憶に新しいと思います。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたため、今までなりを潜めていた小児感染症が、再び流行し始めています。一昨年夏はRSウイルス感染症、今年春は溶連菌感染症、昨年と今年の夏は手足口病、現在はマイコプラズマ感染症が大流行しています。今冬における次の流行はインフルエンザなる可能性は高いと考えます。インフルエンザに対する抗体を持っていない場合、小児や高齢者は重症化するリスクが高まります。インフルエンザ予防接種をうけてインフルエンザの重症化をおさえることが大切であると考えます。

今年の接種料金は、昨年と同様1回3,500円(税込み)です。2回接種の方が当院で2回とも接種を行う場合は、2回目の接種料金が3,000円に減額になります。
65歳以上の市川市在住の方は、高齢者インフルエンザ予防接種の医療費助成が受けられます(1回1,500円に減額)ので、高齢者インフルエンザ予防接種専用の問診票を持参して来院してください。

成人(13歳以上)         1回接種(成人は過去のインフルエンザ感染による抗体を持っているため)
小児(生後6か月~12歳)2回接種(2~4週間隔で)(若年者は十分な抗体を持っていないため)

小学生以下のお子様のインフルエンザ予防接種は2回接種が必要です。
インフルエンザ予防接種についてご不明な点がございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

2024-11-11 14:27:55

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きし内科クリニック通信2024年10月号 (第105号)【マイコプラズマ感染症が流行しています 】

【 マイコプラズマ感染症が流行しています。 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第105号を発行いたしました。
本号では、「マイコプラズマ感染症」についてお話いたします。
 
マイコプラズマ肺炎が流行しています。東京都感染症センターの報告によると、基幹定点医療機関から報告された放生国患者数が過去25年間で最大となっています。特に東京都東部(隅田川以東)の感染症患者数が多いため、隣接する市川市の患者数も相対的に多数であると考えられます。院長の私もつい最近にマイコプラズマ肺炎に罹患して大変つらい思いをしました。

マイコプラズマ感染症は、主に子どもや若者に多くみられる感染症です。全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。マイコプラズマ感染症とは、マイコプラズマという病原体(細胞壁をもたない細菌)の感染によっておこる感染症です。

マイコプラズマの感染経路は、飛沫感染(咳やくしゃみなどでウイルスなどが飛び散り、人に感染する事)です。マイコプラズマが気管の粘膜に侵入し、2~3週間の潜伏期間を経てから発症します。マイコプラズマは主に下気道に感染します。マイコプラズマが下気道に感染しても、軽い風邪症状で自然に治ってしまう人もいれば、気管支炎になり頑固な咳だけが(ひどいときは)1か月以上長引くこともあります。また多くの人がマイコプラズマ肺炎を発症することが特徴です。潜伏期間が長いため、家族の間でだらだらとひどい咳風邪が続いている場合はマイコプラズマ感染症を強く疑います。
 
症状は、頑固な咳、発熱が特徴です。その割に体調は比較的元気なことが多く、インフルエンザの時のようにぐったりしないことも多いです。そのため英語で 「walking pneumonia」(日本語訳:歩ける肺炎)と言われることもあります。鼻水、のどの痛みの症状は特徴的な症状ではなく、ある人もない人もいます。しかし一部の患者は重症化し、入院点滴治療が必要になることもあるので注意が必要です。

マイコプラズマ肺炎の診断は、発熱や頑固な咳を認める場合に、胸部レントゲン写真や、咽頭ぬぐい液マイコプラズマ迅速検査(診断感度は50%~70%)で行います。治療は、抗生剤の内服を行います。普通の抗生剤(ペニシリン系、セフェム系)は効果がなく、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生剤を用います。最近はマクロライド系の抗生剤が効かない薬剤耐性マイコプラズマが流行しており注意を必要とします。

マイコプラズマに一度感染すると抗体ができますが、その抗体は一生続くものではなく何回も感染を繰り返します。また、気管支ぜんそくや、咳ぜんそくを持病にもつ方は、マイコプラズマの感染をきっかけとして、ぜんそくの症状が悪化することが多いために注意が必要です。
 
秋~冬に向かってインフルエンザや新型コロナウイルスの新たな流行も迫っています。マイコプラズマ感染予防のため、こまめな手洗い、適切なマスク着用などに努めましょう。

2024-10-02 10:15:19

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