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【 梅雨の時季の咳 「咳ぜんそく」 】
きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第101号を発行いたしました。 本号では、梅雨の時季の咳「咳ぜんそく」のお話を掲載いたします。 インフルエンザの大流行を終え、新型コロナウイルスの流行もようやく沈静化してきました。 今年も梅雨の季節がやってきました。今年の日本気象協会の「梅雨入り予想」では、九州北部~関東甲信~東北北部は、6月中旬に続々と梅雨入りし、平年よりも遅い梅雨入りとなるようです。毎年梅雨の季節に咳が長引く方、風邪薬を内服しても咳だけが長びいておさまらない方はいらっしゃいませんか。 梅雨の時期、秋の台風の時期など、季節の変わり目の咳でお困りの方は、「咳ぜんそく」かもしれません。 「気管支ぜんそく」とは、様々な原因で気管(空気の通り道)に、慢性の長びく(好酸球浸潤を伴う)炎症が起こる病気です。 つまり、「気管支喘息」=「気管支炎が長く続き、なかなか治らない病態。」と大まかに言い換えることが出来ます。 主な症状は、息苦しさ、咳、痰、のどや胸の違和感・いがいが感、鼻水、鼻づまりなどになります。 「気管支ぜんそく」の中で、息苦しさを伴わず、咳を主な症状とするものを、「咳ぜんそく」といいます。 「気管支ぜんそく」「咳ぜんそく」を引き起こす原因は、以下のように大きく5つに分けられます。 ① 気候の変化(気温、湿度、気圧の変化などが、気管を刺激するため。) ② アレルギー・刺激物質の吸入(ほこり、花粉、カビ、喫煙、香水などが、気管を刺激するため。) ③ 疲労、精神的ストレス(心を支配する自律神経が気管に通じているため。) ④ 風邪(風邪のウイルスや菌が気管に炎症を起こし、気管の粘膜が刺激を受けやすくなるため。) ⑤ 妊娠・出産(妊娠による体のホルモン環境の変化や、育児などによる生活環境の急激な変化が要因。) 6月の梅雨の時期は、以下のように咳ぜんそくを引き起こしやすい要因がそろっています。 ① 気温・気圧・湿度の変化が大きい。 ② アレルギー物質である「ダニ」「カビ」が発生しやすい(湿度が高いため)。 ③ イネ科の花粉「ネズミホソムギ」「カモガヤ」「オオアワガエリ」などが、江戸川の河川敷などから多く飛散する。 ④ 新年度で職場や住環境が変わることによるストレス(五月病) ④ 夏かぜ「アデノウイルス」「エンテロウイルス」などの流行。 ぜんそくによる咳の場合は、特に以下の条件でひどくなることが多いといわれています。 ① 夜布団に入るときや、寝ているとき、朝起きたとき。 ② お風呂あがり、電車に乗るときなど、急激に気温や湿度や気圧が変化するとき。 ③ しゃべるとき、歌うとき、ラーメンを食べるとき、強いにおいをかいだときなど、気管が刺激をうけるとき。 咳ぜんそくの治療は、気管支ぜんそくの治療と同じで、吸入ステロイド薬と吸入気管支拡張薬が中心となります。ステロイド薬は副作用が心配というイメージがあるかもしれませんが、吸入や点鼻のステロイド薬は、内服のステロイド薬と異なり、お子様や妊婦さんが使用しても安全ですので安心してください。 長引く咳、止まらない咳でお困りの方は、ぜひ当院にご相談下さい。
2024-05-28 19:05:43
きし内科クリニック通信
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