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きし内科クリニック通信2024年10月号 (第105号)【マイコプラズマ感染症が流行しています 】

きし内科クリニック通信2024年10月号 (第105号)【マイコプラズマ感染症が流行しています 】

【 マイコプラズマ感染症が流行しています。 】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第105号を発行いたしました。
本号では、「マイコプラズマ感染症」についてお話いたします。
 
マイコプラズマ肺炎が流行しています。東京都感染症センターの報告によると、基幹定点医療機関から報告された放生国患者数が過去25年間で最大となっています。特に東京都東部(隅田川以東)の感染症患者数が多いため、隣接する市川市の患者数も相対的に多数であると考えられます。院長の私もつい最近にマイコプラズマ肺炎に罹患して大変つらい思いをしました。

マイコプラズマ感染症は、主に子どもや若者に多くみられる感染症です。全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。マイコプラズマ感染症とは、マイコプラズマという病原体(細胞壁をもたない細菌)の感染によっておこる感染症です。

マイコプラズマの感染経路は、飛沫感染(咳やくしゃみなどでウイルスなどが飛び散り、人に感染する事)です。マイコプラズマが気管の粘膜に侵入し、2~3週間の潜伏期間を経てから発症します。マイコプラズマは主に下気道に感染します。マイコプラズマが下気道に感染しても、軽い風邪症状で自然に治ってしまう人もいれば、気管支炎になり頑固な咳だけが(ひどいときは)1か月以上長引くこともあります。また多くの人がマイコプラズマ肺炎を発症することが特徴です。潜伏期間が長いため、家族の間でだらだらとひどい咳風邪が続いている場合はマイコプラズマ感染症を強く疑います。
 
症状は、頑固な咳、発熱が特徴です。その割に体調は比較的元気なことが多く、インフルエンザの時のようにぐったりしないことも多いです。そのため英語で 「walking pneumonia」(日本語訳:歩ける肺炎)と言われることもあります。鼻水、のどの痛みの症状は特徴的な症状ではなく、ある人もない人もいます。しかし一部の患者は重症化し、入院点滴治療が必要になることもあるので注意が必要です。

マイコプラズマ肺炎の診断は、発熱や頑固な咳を認める場合に、胸部レントゲン写真や、咽頭ぬぐい液マイコプラズマ迅速検査(診断感度は50%~70%)で行います。治療は、抗生剤の内服を行います。普通の抗生剤(ペニシリン系、セフェム系)は効果がなく、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生剤を用います。最近はマクロライド系の抗生剤が効かない薬剤耐性マイコプラズマが流行しており注意を必要とします。

マイコプラズマに一度感染すると抗体ができますが、その抗体は一生続くものではなく何回も感染を繰り返します。また、気管支ぜんそくや、咳ぜんそくを持病にもつ方は、マイコプラズマの感染をきっかけとして、ぜんそくの症状が悪化することが多いために注意が必要です。
 
秋~冬に向かってインフルエンザや新型コロナウイルスの新たな流行も迫っています。マイコプラズマ感染予防のため、こまめな手洗い、適切なマスク着用などに努めましょう。

2024-10-02 10:15:19

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