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きし内科クリニック通信2025年3月号(第110号) 【 スポーツを始めたら「運動誘発ぜんそく」に注意しましょう。】

きし内科クリニック通信2025年3月号(第110号) 【 スポーツを始めたら「運動誘発ぜんそく」に注意しましょう。】

【スポーツを始めたら「運動誘発ぜんそく」に注意しましょう】

きし内科クリニック院長の岸 雅人です。きし内科クリニック通信 第110号を発行いたしました。
本号では、激しいスポーツを始めた後に発症する「運動誘発ぜんそく」のお話を掲載いたします。
 
「気管支ぜんそく」とは、様々な原因で気管(空気の通り道)に、慢性の長びく(好酸球浸潤を伴う)炎症が起こる病気です。つまり、「気管支喘息」=「気管支炎が長く続き、なかなか治らない病態。」と大まかに言い換えることが出来ます。
主な症状は、息苦しさのどや胸の違和感・いがいが感鼻水鼻づまりなどになります。
「気管支ぜんそく」の中で、息苦しさを伴わず、咳を主な症状とするものを、「咳ぜんそく」ということもあります。
 
「気管支ぜんそく」「咳ぜんそく」を引き起こす原因は、以下のように大きく5つに分けられます。

  ①気候の変化(気温、湿度、気圧の変化などが、気管を刺激するため。)
  ②アレルギー・刺激物質の吸入(ほこり、花粉、カビ、喫煙、香水などが、気管を刺激するため。)
  ③疲労、精神的ストレス(心を支配する自律神経が気管に通じているため。)
  ④風邪(風邪のウイルスや菌が気管に炎症を起こし、気管の粘膜が刺激を受けやすくなるため。)
  ⑤妊娠・出産(妊娠による体のホルモン環境の変化や、育児などによる生活環境の急激な変化が要因。)
 
気管支ぜんそくのうち、運動に伴って発作が誘発されるものを運動誘発ぜんそく(アスリートぜんそく)と呼んでいます。運動誘発ぜんそくの原因は、①運動による激しい呼吸、②冷気・ほこり・アレルギー誘発物質などの吸入、③気道の乾燥など、気管への様々な刺激などが複合して発症すると考えられます。高温で多湿な夏季よりも、気温と湿度の低い寒冷期の運動で症状が起こりやすい傾向があります。
ここで、スポーツ選手のぜんそく罹患率を調査した英国の病院の研究結果を紹介いたします。対象はオリンピック候補となる一流スポーツ選手で18歳以上の非喫煙者122人です(女性45%、平均年齢24歳)。結果は約半数(58%)の人が運動で誘発性する呼吸器症状を訴えました。内訳は、咳44%、喘鳴(ぜーぜー)24%、胸のしめつけ感32%、呼吸困難18%。全体の32%で喘息症状を認め、全員がぜんそくの吸入治療薬を使用していたそうです。
2. Hull JH. et al. The benefits of a systemic assessment of respiratory health in illness-susceptible athletes. Eur Respir J 2021; 57: 2003722
 
お子様がスポーツを行うことは、健康な発育にとても重要な役割を果たすと考えます。その反面、激しいスポーツを行うと一定程度の体への負担が生じることも事実です。スポーツを始めた人で、気管支ぜんそくの症状が再燃した人、新たに気管支ぜんそくの症状を認めた人、咳が止まらなくなった人は運動誘発ぜんそくの可能性を考える必要があると思います。運動誘発ぜんそくを起こしやすいスポーツは、常に走り回っていて運動負荷が大きく、持久力が必要な運動(サッカー、バスケット、ダンス、フルマラソンなど)に多い印象です。また気温の低い場所で行うスケートやスキーでも、運動誘発ぜんそくは起こりやすくなります。一方、気道が湿度で潤う水泳や、適度な運動では、運動誘発ぜんそくは起こりにくいとされています。
 
運動誘発ぜんそくは、適切な治療による管理ができれば発作は起こりにくくなりますので、運動制限をする必要はありません。ぜんそくのない人と同じようにスポーツに取り組むことができますが、運動をしている以上は運動誘発ぜんそくの完全治癒を目指すことが難しいことも事実です。適切な治療を行うためにも運動誘発ぜんそくかもしれないと思ったらぜひ当院にご相談下さい。
 

2025-03-06 14:24:23

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