きし内科クリニック 内科・呼吸器内科・アレルギー科・小児科

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2017年9月号(第20号)【 「RSウイルス感染症」が流行っています 】

2017年9月号(第20号)【 「RSウイルス感染症」が流行っています 】

【 「RSウイルス感染症」が流行っています 】

きし内科クリニック院長の岸雅人です。きし内科クリニック通信第20号を発行いたしました。
本号では「RSウイルス感染症」のお話を掲載いたします。

RSウイルスは、乳幼児の気管支炎(咳、ぜいぜい)を起こす代表的なウイルスです。

【疫学】
患者の約75%以上が、1歳以下の乳幼児に生じています。
乳児の半数以上が1歳までに、ほぼ100%が2歳までに感染するといわれています。終生免疫は獲得されないため、その後もどの年齢でも再感染は起こりますが、一般的には年長児以降では重症化はしません。

例年9月~翌年1月頃(秋から冬にかけて)で流行しますが、厚生労働省/国立感染症研究所の発表によりますと、今年はすでに8月の時点でRSウイルスは大流行を起こしています。当院にも8月の時点でRSウイルスに感染した乳幼児が多く来院しています。

【原因と感染経路】
病原体はRSウイルス(Respiratory syncytial virus)です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛まつ感染」が主な感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。

【症状】
感染後4~5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳、発熱などの上気道症状が現れます。3割程度の患児はこのあと炎症が気管(下気道)まで波及して、気管支炎を発症し、咳の増強、ぜいぜいする(喘鳴:ぜんめい)、頻呼吸などが現れてきます。

1~3%の患児(特に1歳以下)が重症化し、入院治療を受けます。心肺に基礎疾患がある小児は重症化しやすいとされます。通常は数日~1週間で軽快します。

【RSウイルスと気管支ぜんそくとの関係】
冬季に乳児が鼻汁、咳に引き続いて「ぜいぜい」してきたような場合や、無呼吸を起こした場合は、その30~40%がRSウイルス感染症によると考えられます。このような状態を「ぜんそく様気管支炎」(ぜんそく症状を起こす気管支炎の意味)といいます。
一般的には2週間以内に改善しますが、将来的にぜんそくを発症する体質をもっている児がRSウイルスに感染すると、ひどいぜんそく症状を生じたり、そのまま長期にわたって喘鳴を繰り返す(RSウイルス感染がぜんそく発症の引き金になる)ことがあるので注意が必要です。

【診断】
RSウイルス迅速診断キットを用いて診断します。当院での診断時間は約8分となります。RSウイルス診断キットの保険適応は1歳未満の乳児のみとなっています。そのため当院では原則として、3歳未満の乳幼児のうち、ぜんそく症状がみられる児や、症状が改善しない児に限定してRSウイルスの診断キットを用いています。

【治療】
特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。ウイルス感染のため抗生剤は無効です。
ぜんそく症状を認める場合は、気管支ぜんそくの治療(気道の炎症をおさえ、気道を広げる治療)を行います。

季節の変わり目は(RSウイルスに限らず)風邪にかかりやすい時期です。風邪にかかるとぜんそくや鼻炎の症状も悪化します。風邪にかからないよう、うがい・手洗いで予防しましょう。

2017-09-01 17:07:00

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